北条工務店で働き始めて10年目のスタッフの自邸。物件探しから難航し、半ば諦めかけていたところに出会った築30年・73㎡の立地も理想通りの中古マンション。たくさんのお客様のお家づくりをお手伝いさせて頂いてきた中で、「自分も賃貸物件ではなく、心地よく、好きな空間やものに囲まれた生活をしたい」その強い思いから今回のお家づくりがスタートしました。

マンションのプランでよく見られるのは北側に寝室、南側にLDKの配置。今回は通常とは真逆のプランを採用し、一切廊下をとらずにそれぞれの空間を広々と確保しました。玄関は、外から帰ってきたときに気持ちを切り替えられるよう、ゆったりと。17帖のLDKは、一面をクロスではなくPORTER’S PAINTSで塗装仕上げに。ムラのある塗り方で印象的でシックな空間に仕上がっています。リビングには床暖房を敷いて、冬場は乾燥せずに足元からふんわり温かい心地よさ。キッチンはL型を採用し作業スペースにゆとりを持たせました。2帖分のパントリーも確保し、冷蔵庫など家電をまとめて収納することで生活感もでません。白を基調とした寝室は南側の一番日当たりのよい場所に。朝日がたっぷりと降り注ぐその場所は１日の始まりを気持ちよくスタートさせてくれます。寝室とLDKの仕切りは格子状になったガラスの建具。可動式の扉を設置することで、個室にもワンルームのような使い方も可能に。収納計画は、どこに何を収納するのかを綿密に検討し、要所要所に適したスペースを確保しています。いつもの日常をさらに楽しくする！そんな住まいに仕上がりました。

━━ 北条工務店に入社して10年、どんな仕事をしてきましたか？

主に設計業務をしてきました。ただ図面を描くだけではなく、お客様へのプレゼンテーションや詳しい詳細についてなどのお打ち合わせもさせていただいています。実際にお客様と向き合って、思いを汲み取って具現化することは勿論、想像が想像を遥かに超えたお引渡しをするということを大切に、10年間お仕事してきました。

━━物件購入して、リノベーションをしようと思ったきっかけは？

きっかけは愼示さんとの会話です！賃貸で毎月自分の資産にならないものに対してお金を支払っていくより、賃貸の家賃＋1,2万円で自分の好きな空間で好きなものに囲まれながら暮らす方が絶対いいよね～と話をしていて、私も確かに絶対そっちの方が豊かだし素敵だなと思ったので。

━━ 好きなことや趣味は？

好きなことは植物を育てたり、植え替えたりすることです。数年前は多肉植物の農園を自ら探して、ビニールハウスに植物を見に行って農園の方と仲良くなったり、卸売り場に行ったりしていました（笑）ここ数年はあまり植物に触れていませんでしたが、新しいお家が出来て、たくさん好きな植物を作り、そして飾りたいです。

━━ こだわったことはどんなことですか？

いっぱいありすぎて中々１つに絞れませんが…使いたい素材や色をポイントとなる箇所には必ず入れたところ。まわりとの調和を気にしすぎて、自分の好きな空間にならなかったら絶対後悔すると思ったので。そして、グリーンや小物を沢山飾るスペースを作ったところでしょうか。

━━ 悩んだところはありますか？

色の組み合わせ方が一番悩みました。私はグレーがとても好きで、最初は壁の色も絶対白なんか入れるものか！と思ってました。（笑）でもスタッフみんなに相談して(結構ひつこく…笑)絶対白でいった方が、明るくて気持ちいい空間になると言われ、その時はどうなんだろ～ってかなり悩みましたが、いま思うと絶対白でよかったと思います！（笑）

━━ 他のスタッフに相談したことは？

間取りについては愼示さんに相談しました。一般的に考えれば北側は寝室になる間取りなのですが、私の家は線路沿いなので、音がうるさく最初から気になっていました。「睡眠は大切だから、南側にもってくるのはどう？」との意見から今の間取りが出来ました。

━━ 難しかったところは？

築30年の物件でしたので、床のレベルが一定でない箇所がたくさんあり、水回りの位置変更の制限もかなりありました。その中で、どう間取りを作っていくのか…というところが難しかったです。

━━ リノベーションが終わって思うこと

お客様の気持ちが、今回を通じてとても分かりました。そして同時に私たちがお客様から求められていることも…。ほとんどの方が一生に一度あるかないかの家づくり、その仕事に携わらせて頂いていることを誇りに思います。

━━家づくりで思い出深いこと

去年の12月31日に北条家にお邪魔して、お蕎麦を頂きながら一緒にプランを考えたこと笑。いつの間にか年も越していて…、10年前はこんな風に今を迎えられていること、夢にも思っていなかったので本当に北条工務店に入社してよかったと心から思いました。

━━お客様へのアドバイスをお願いします。

私達のお客様もよくおっしゃられますが、やはり妥協しないことだと私も思います。建築素材や設備は中々変更できないものです。これから何十年も毎日目にするもの、手に触れるものなので、少し高くても絶対に自分の気に入ったもの、納得したものにしてもらいたいです。悩んだ分だけ愛着が湧き、何十年も大切に思えると思います。