照屋
大阪上本町駅から徒歩7分。大通りから少し外れた住宅街の中にあるマンションの1階に2018年5月、懐石「照屋」がオープンしました。
外観は左官で仕上げた土感のある壁とシンプルな照明がひとつ。そして、年季の入った扉。さりげなく控えめでありながらも、どこかずっしりとした芯を感じる店構えはいつまでも眺めていられるくらい美しい佇まい。少し重たい扉をゆっくりと開くと、目の前に広がるのは6m程奥ゆきのある店内までのアプローチ。照明の照度、壁の色、天井の素材、ディティール…全てを計算したその空間は、一歩ずつ足を進める度、まるで路地裏に迷い込んだかような感覚になります。
アプローチから店内へと入るとやわらかく落ち着きある空間が迎えてくれます。中央に配するのは7人程が座れるL字型のカウンター。カウンターの天板は色味・木目共に上品で、料理をさらに際立たせてくれる無垢のタモ材を採用。店内の床は炭入りモルタルで仕上げ、シンプルさとモダンさをとり入れました。壁は左官仕上げを基調とし、一部タイルの壁をアクセントとして使用。装飾はせず、一つ一つの素材がそのままの表情を感じられるよう設計しました。アクセントウォールの裏手にはトイレを配置。扉には古い桟戸を使用し、和の趣をとり入れつつも、タイルや自然木の棚、左官壁などの要素も加え、控えめで落ち着く雰囲気に仕上がっています。
和と素材が持つ特性を存分に活かした、重たすぎず軽すぎない、心地よい店舗に仕上がりました。
━━ はじめて北条工務店に会ったときの気持ち・感想を教えてください。
初めてウェブサイトを見させていただいた時、「絶対カッコいいお店を作ってくれるに違いない!」と思いました。初めて社長にお会いした時は、「なんて仕事が早い方なんだ!素敵すぎる!」と思いました。
━━北条工務店に決めた理由は?決め手は?
内装や雰囲気がとても好みの「天神橋 青木」さんを手掛けられた工務店さんであったこと。自分たちの頭の中にあるイメージのものをしっかりと汲み取って形にしてくれるという確信を感じられたこと。
━━ 好きな色・国・映画・物・コトなど、どれかありますか?
夫:器を見るのが好きです。修業先の先輩の影響が大きいです。器を見た時に料理がインスピレーションで画として見えてくる瞬間が楽しいです。
妻:海を見るのが好きです。特にハワイと沖縄の海の色が好きです。海と空の色のグラデーション、波の音、潮風、色々と感じながら考えごとをしたりサーフィンしているのを見たりしながらボーッと過ごすのが好きです。
━━ 打合せの進め方はどうでしたか?
時間をかけてじっくりと進めていただいたので良かったです。説明も丁寧にしてくださり、不透明なことが何もなく、安心して進められました。
━━ 「どうしてもしたかったこと」はありますか?
客席:お料理を楽しんでいただくためシンプルにしたかった。
厨房:良い料理を作るには、厨房を良くすることが最も重要であると考えているので、色々なお店での修行経験を凝縮したこだわりの作りにしてもらいました。
━━ 気に入っている場所、つい自慢したくなる場所はどこですか?
「こんなところにお店が!」というような外観。築100年のお家からいただいた蔵の扉。アプローチ!カウンター!などなどたくさん有ります。
━━ お店ができてから「したいこと・やってみたいこと」はどんなことでしたか?
自分たちの親を招待して食事をしてもらうこと。
━━ 計画中に参考にしたものがあれば教えてください。
お店では「天神橋 青木」さん、雑誌では「専門料理」の厨房づくりや独立開業の特集記事など。
━━ 今、完成してみて思うことはなんですか?完成した感想をお願いします。
工事が始まった頃は「まだかな?まだかな?」と思ってばかりいましたが、工事が進んで出来上がってくるとあっという間でした。本当に素晴らしい空間が出来上がり、嬉しい限りです。心から感謝しております。この素晴らしい空間に恥じない自分たちであるよう、精進してまいります!
━━ これから店舗を計画される方々にアドバイスをお願いします。
自分たちの頭の中にあるイメージ以上に素晴らしい空間に仕上げてくれる工務店さんです。たくさんのアイディアとともに、本当にいいものを一緒に創り上げてくれる工務店さんです。是非!北条工務店さんのお仕事を体感してみてほしいと思います。